01 雨の日と月曜は《カーペンターズ》編曲:夏田昌和
カーペンターズの歌には、現代のポップスの多くには見出すのが難しくなってしまったある種の「憂い」や、郷愁を誘わずにはいられない細やかな情緒が感じられる。シンプルだが美しく心に残るメロディとそれをそっと支えるハーモニー。ほとんどそれだけなのに我々の人生に切実でリアリティがある音楽...作曲家として私は嫉妬せずにはいられない。
《夏田昌和 Masakazu Natsuda》
東京芸術大学大学院修了後、パリ国立高等音楽院を卒業。出光音楽賞や芥川作曲賞他を受賞。Ensemble Intercontemporain やフランス文化省、サントリー音楽財団など内外の諸団体から委嘱を受けて作品を発表する傍ら、Ensemble Contemporary αやEnsemble Vivoの指揮者として海外作品の紹介や邦人作品の初演に数多く携わっている。
02 悲惨な戦争《ピーター、ポール&マリー》編曲:星谷丈生
1960年代にアメリカで活躍したフォークソングのグループ、ピーター・ポール&マリー(PPM)が編曲して、当時行われていたベトナム戦争の反戦の思いを込めて歌った、「悲惨な戦争」。恋人であるジョニーが戦争に行ってしまうことを、嘆き悲しむ様子が歌われてヒットした。今回の編曲では、アメリカのフォークソングを言われる原曲の旋律を素材にして新たに中間部分を作曲してつけ加えた。
《星谷丈生 Takeo Hosiya》
1979年東京生まれ、札幌市在住。作曲を池田悟、佐藤眞、近藤譲に師事。東京芸術大学博士後期過程修了。学内にてアカンサス賞を受賞。2002年 European International
Competitionにて"distinguished musician"に選ばれる。2005年Ensemble Nomad英公演に参加、ハダースフィールド現代音楽祭にて作品が発表される。2007年サルヴァトーレ・マルティラーノ作曲コンクール第一位(アメリカ、イリノイ州)。現在札幌大谷大学専任講師。Ensemble Contemporaryαメンバー。北海道作曲家協会理事
03 スターダスト《ホーギー・カーマイケル》編曲:小橋敦子
1927年に米国の作曲家ホーギー・カーマイケルによって書かれた作品。星空を見上げながらかつての恋人を思い出して書いたと言われ、ジャズのスタンダードナンバーとして世界中で親しまれている。一方、北イタリアの街ベラガモの月を見上げその印象を曲にしたというドビュッシーの月の光。同じ五線上に、空にきらめく星と月の光を重ね合わせるようにアレンジしてみた。stardustには、夢見心地という意味もあるそうだ。
《小橋敦子 Atzko Kohashi》
ジャズピアニスト、作・編曲。学生時代に慶応ライトミュージックソサエティーで活躍。その後、苫米地義久バンドを経て自身のピアノトリオで活動。1994年から2001年までニューヨーク滞在。2005年に「アムステル・デライト/小橋敦子トリオ」をポリスターレコードよりリリース。現在オランダ・アムステルダム在住。翻訳家として「ワガママ娘につけるクスリ」「100パーセントレナ」(日経BP社)の訳書がある。
04 カサブランカ・ムーンシャイン《スラップ・ハッピー》編曲:鈴木治行
スラップ・ハッピーの「Casablanca Moon」の編曲作品だが、心地よく流れる時間体験がいつものように耐えられず、随所で関節外しが実践されている。時間が短いこともあり、様々な異物を呼び込むことはせずにただ一つの手法のみで貫徹されている。
《鈴木治行 Haruyuki Suzuki》
1962年東京生まれ。1990年に作曲家グループTEMPUS NOVUMを結成、1995年「二重の鍵」が第16回入野賞受賞、 2001年に映画「M/OTHER」の音楽で第54回毎日映画コンクール音楽賞を受賞。芸術全般についての批評活動も行い、作品は国内外で演奏、放送されている。
05 りんごのうた《椎名林檎》編曲:山根明季子
ROSCOのソフィスティケイトされていながらどこか甘酸っぱい印象は、初めて二人の演奏を聴いたときから私を魅了した。この曲は、昔から好きだった椎名林檎さんの作品の中から、“みんなのうた”でも親しまれている「りんごのうた」をアレンジ。ヴァイオリンの超絶技巧とピアノの高音域での跳躍、そして双方特殊奏法を織り交ぜた、ROSCOの魅力に捧げる一曲である。
《山根明季子 Akiko YAMANE》
1982年大阪生まれ。日本音楽コンクール第1位、芥川作曲賞ノミネート等。武生国際音楽祭、ロワイヨモンVoix Nouvellesなど国内外の音楽祭に招待参加、作品が演奏される。現代音楽コンサートシリーズ「eX.(エクスドット)」主宰。若手作曲家集団「秘密結社」、アンサンブル「COTO-PRESENT」各メンバー。
06 ザ・ロング・アンド・ワインディング・・・《ビートルズ》編曲:森田泰之進
「ビートルズの曲で編曲を」というお話で、この曲を選びました。もとの曲調や歌詞のイメージから少し距離を置くように心がけて作ったので、最初にお聴きいただいたとき戸惑われるかもしれません。原曲のタイトルは「The Long and Winding Road」ですが、ここでは「Road」(道)ということばを外しました。「長く、曲がりくねった○○」・・・何が入るか、想像しながらお聴きいただければと思います。
《森田 泰之進》
作曲を松平頼暁、安藤久義の各氏に師事。これまでに日本交響楽振興財団作曲賞最高位入賞、ヴァレンティノ・ブッキ賞入賞、日本現代音楽協会新人賞など。
07 イパネマの娘《アントニオ・カルロス・ジョビン》編曲:田口真理子
言わずと知れたこの曲を私が語るなんぞおこがましいのですが・・・カルロス・ジョビンが居たレストランの外を歩く少女に一目惚れして出来たこの曲、その後この曲が辿る運命といい、・・・一期一会だなぁとついつい遠い眼になっちゃう〜な曲なのです。ですので強弱すら、殆ど書いていません。
《田口真理子 Mariko Taguti》
桐朋学園大学ピアノ専攻首席卒業、同大学研究科を修了。NTTドコモ賞受賞。近年は主に室内楽の他、ラジオのパーソナリティーや、シンセサイザー奏者としても活動中。楽曲提供やアレンジも多く、クラシカルな基盤を温存しながらpops・jazz・tangoやダンスコラボ、合唱など、ジャンルを超え独自のスタイルで活動している。最近バイオリニスト、佐久間大和氏とDuo「source」を結成
08 証城寺の狸囃子《中山晋平》編曲:伊佐治直
夜中に腹太鼓を叩いて唄い踊る狸たち。それに怯えるどころか、三味線を取り出し参加してしまうファンキー和尚。
そして、かれらの可笑しくも妖しいセッションバトルは(この曲の元となった伝説では)最後に哀しい結末を迎えます。
わたしは、きっと昔の日本では「ほんとうに」こういう不思議なことがあったのだろうと、思っていたいのです。
《伊左治 直 Sunao Isaji》
ブラジル音楽系のライブやら、現代音楽の作曲やら、そのほかいろいろしてます。
民俗学や時代劇の愛好家。「証城寺の狸囃子」の作詞者、野口雨情とは誕生日が同じ